旅のこぼれ話

できることがなくなったら、逆にすべてから解放された。

こんにちは。『ふみだせ!地球』サポートチーム、写真家のMiNORU OBARAです。
インドネシアバリ島の” Nyepi(ニェピ)” について、いくつかのご質問をいただいたので、それについてお話しします。

みなさんは、インドネシアバリ島の ” オゴオゴ ” と ” ニェピ ”をご存知でしょうか?
ここに集まるみなさんはもうご存知かもしれませんね☺︎


” オゴオゴ ”とは、インドネシアバリ島の大晦日に当たる日に、島で催されるお祭りで登場する悪魔をかたどった大きな人形のことを指します。転じてこのお祭りのことをみんな ” オゴオゴ ” と呼びます。

*オゴオゴの様子

そして、” ニェピ ” とは、バリ島の元日に当たる日。大祭オゴオゴの次の日です。

” Nyepi ” は、バリ島の言葉で「静寂」を表します。
その名の通り静かに過ごす1日のため、この日、バリ島全域が外出禁止になります。
大祭オゴオゴによって悪いものがすべて排除された島で、神聖に心静かに過ごす1日
それがニェピです。

*ニェピの昼間。宿からの景色。

その日、午前6時から翌日の午前6時までの24時間のあいだ、島中に外出禁止令が出されます。

島にいる人々は、静かに過ごさなくてはなりません。
家々は扉を締め切り、外に光が漏れないよう繁華街のショウウィンドウにもカーテンが引かれます。
会話も必要最小限に、小さな声でしなければなりません。

もちろん、観光客も同様です。

宿の扉も閉ざされます。宿によっては、海が見えないようにスクリーンを張るところも。
さらには、wifiさえも止めてしまう宿もあります。

つまり、何もできないのです。

宿によっては時間限定で食事を出してくれる場合もありますが、前日のうちに食材を蓄えておくのがよいほどです。

*ニェピ明けの早朝。宿からの景色。

そんな、バリ島の元旦、ニェピ。
僕は、この日が大好きです。

毎年この時期に僕はバリ島を訪れます。滞在する村はその年によって変えていますが、どの村でもとにかく神聖な空気を味わえます。

そして、なによりも、「なにもできない」というのが良かったりするんです。

考えてもみてください。日本に居ようが外国に居ようが、今となっては手の届く範囲に情報が溢れすぎていますよね。

手を伸ばせばスマホがあるし、机の上にはパソコンがいつでもネットに繋がった状態で置いてある。
お醤油が切れたってスーパーに売ってあるし、お腹が空けば近くのコンビニでなんとかなる。

インターネットにつながれば、それこそそこはカオス。いまやどんな情報にでも触れられてしまう時代ですよね。

僕も、気がつけばついついグーグルを開いてたりする・・・。

そんな、いつの間にか当たり前になってしまった当たり前が、この日は当たり前じゃなくなるんです。

スマホは当然ながら圏外。スーパーもコンビニも閉まっています。
それどころか、宿から一歩も外に出てはいけないのです。

*ニェピ明け、外出禁止解除直後の新しい海。

これだけ聞くと、どう感じますか?
「え、そんなの楽しくないじゃん!」
「メールもラインもできないの!?」

そう思いますか?
でも、それが僕の場合は違いました。

*ニェピの昼間。宿の軒下の鳩。

僕はこの日に、1年の目標を立てることにしています。
ニェピは3月なので、西暦と比べると3ヶ月遅れなのですが・・・。

静かな部屋で、心穏やかに物想いに耽ります。
鳥と風の声しか聞こえてこない窓の外に意識をやります。
窓が開けられる宿ならば、窓を開け、静まり返った窓の外を眺めます。
この日のために厳選して持ってきた文庫本を読んだりもします。
もちろん仕事の連絡もきません。
インターネットに煩わされることもありません。
知識も求めません。

この日にできることは、ほとんどありません。
だから、しなくていいんです。

そうなんです、

何もできないからこそ、すべてにおいて自由になれるのです。

僕は、毎年この日を静かに過ごすことで、心がクリーニングされている気がしています。

地元のガイドさんによると、
「せっかくの外国なのに、1日中どこにも行けないの?」というクレームがたまに届くそうです。

でも、おすすめです。
だって、海外旅行なんて、疲れたって仕方ないですもんね。

ニェピの日の映像が残っていたので、あげておきますね。

風の音と鳥の声と、猫の鳴き声しか聞こえない。

あと、ここだけの話、ニェピの夜は宝物です。
たった1日、車もバイクも一台も走らない、それだけで、空気はすっかり入れ替わります。
この日バリ島には、たとえそれが繁華街の空でも、星が帰って来るのです。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。

*ニェピの夜。繁華街にも星が帰ってきます。

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